塗料を語る時、塗料そのものも大切ですが 塗料を溶解する溶剤についても ある程度理解しておく必要があります。「この塗料は何でうすめる」ということを知っておかないと しっかりとした塗膜が形成されなかったり 塗料が使えなくなってしまうからです。
塗料は大きく分けると水性塗料と油性(シンナーでうすめる)塗料に分けられます。
前者の水性塗料はその名の通り水で希釈する(うすめる)塗料です。水性塗料にとって水が溶剤の役目をするわけです。
では、油性塗料を希釈する物とは何でしょう。それがシンナーです。シンナーは英語で{Thinner}と表記しますが、この{Thin}とは薄いという意味で このことからシンナーとは薄めるとか希釈する物という意味になります。一般的には油性塗料を希釈する為に用いられる物としてシンナーという名称が使われていますが、広い意味では水性塗料をうすめる水もシンナーの一種と考えても良いわけです。
では油性塗料に用いられるシンナーとはどの様な物でしょうか。基本的には、単体溶剤とよばれる溶剤をブレンドした物がシンナーとなります。代表的な物としてキシレン・トルエン等の有機化合物、アルコール類、エステル類(アルコール化合物)が主成分となる【ラッカーシンナー】。脂肪族と呼ばれる有機化合物=ミネラルスピリットが主成分となる【塗料用シンナー】があり、またその他 各種塗料等の成分に合った専用シンナーがあります。
シンナーの役割とは塗料等をいったん分解し均一な塗膜を作りその後、成分に影響することなく揮発・蒸発して塗料等の性能・効果を引出すために完全に消滅することと言えます。
ですから使用する塗料等の性質を把握し それぞれに見合ったシンナーを使用することが肝心です。
シンナーが塗膜の硬さ・艶・発色・付帯機能に深く関係している場合が多くあります。また、シンナーの純度(精製度合い)が塗料に影響を及ぼすこともありますのでプロの説明やアドバイスを良く聞いてから商品を選定・購入することをお勧めします。
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